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太郎左衛門(とろぜえもん)ギツネ

延岡の南端、愛宕山の柚ヶ谷(ゆずがたに)には、太郎左衛門(とろぜえもん)ギツネという巧妙な化けギツネがいた。地神(じじん)経読みの琵琶法師に化けたり、孝行息子のおっ母さんに化けたり、さまざまな危ない綱渡りをしていた。ごころが最後は大瀬川の渡し人足に化けて、薩摩の飛脚を背中に乗せて川を渡っていた。ゴボゴボーゴボーチャプチャプチャプー人間なら二つ足、キツネの尻尾がチャプチャプと水を叩いていた。鋭い飛脚の耳が、人足の正体を知ったらしく、一刀のもとに叩き切った。が、川原に辿り着いたキツネは人足姿のままであった。飛脚の顔が青ざめた。誤って人殺しを犯したかとひどく心配した。ところが夕闇になって月の光が差し込むにつれて、人足の姿がようやく太郎左衛門(とろぜえもん)ギツネの正体に変わったと言う。

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